販売の仕事が嫌になったから辞める。

僕の場合、それは少し違います。
むしろ、仕事そのものは楽しかった。
お客さんと話すことも嫌いじゃない。
商品を覚えることも、売場を作ることも、忙しい日にみんなで乗り切ることも、それなりに楽しかった。
だからこそ、辞める決断には少し時間がかかりました。

でも、あるとき給与明細を見ていて、ふと思ったんです。
「これ、時給に直したらいくらなんだ?」

給料を「月給」ではなく「時間」で考えてみた

僕が働いていたのは、地方の第三セクターにあたる販売施設です。

正直、
「第三セクターなんだから、待遇もそれなりに良いんじゃないか」
くらいには思っていました。
ところが、給与明細を眺めながら勤務時間を実際に当てはめてみると、少し見え方が変わってきました。
基本給だけを見ると、それなりの金額に見える。
手当もあります。
でも、問題はそこじゃない。

「どれだけの時間を使って、その給料をもらっているのか」です。

僕の場合、月21日勤務。
勤務日は、
6時~17時30分が10日ほど。
そして、
7時~17時30分が10日ほど。
さらにシフトによって30分程度の残業が月5~6回。

もちろん休憩時間がありますから、全部が労働時間というわけではありません。
それでも、所定労働時間の168時間だけを見ているときと、実際の拘束時間を含めて考えたときでは、印象が全然違いました。
そこで僕は、
「これ、実質的な時給で考えたらかなり厳しくないか?」
と思うようになった。

細かい金額は、もう恥ずかしいので書きません(笑)。


ただ、実際の時間まで含めて自分で計算すると、
最低賃金を割ってしまうような感覚になる水準でした。


もちろん、給与の計算には手当や休憩時間などもあります。
ここで「最低賃金違反だった」と断定するつもりはありません。
僕が言いたいのは、
月給だけ見ていたら気づかなかった違和感が、時間給に直した瞬間に見えてきた
ということです。

そして、さらに「無償の時間」の話が出てきた

僕が最終的に「これは無理だな」と思ったのは、ここからです。
仕事が終わったあとに、
「会議に出てほしい」
という話が出てきました。
さらに繁忙期には、
「休日の午前中も来てほしい」
という話も。

いやいやいや。
さすがに僕は、
「そこまでやるの?」
と思いました。
仕事として必要なら、それはそれでいい。
でも、その時間が労働時間として適切に扱われるのか。
そこを曖昧にしたまま、
「みんなやっているから」
「忙しいから」
「やらないでどうする?」
という話になってしまうと、僕には受け入れられませんでした。

職場の中では、それが「普通」だった

ここが、今回一番考えさせられたところです。
職場の中にいると、
「忙しいんだから仕方ない」
「みんなやっている」
「これくらいやらないと回らない」
という空気になる。
すると、いつの間にか、
「これが普通なんだ」
と思ってしまう。

僕自身もそうでした。「断れない」


ところが、これを職場の外で話してみる。
すると返ってくる反応は、

「イヤイヤイヤイヤ、さすがにダメだろ」

「最低賃金スレスレじゃない?これ他の仕事探した方がいいよ。普通にあるくね?」

だった。
(笑)

この差ですよ。さすが外野は温度がない 笑

職場の中では普通。
職場の外では普通じゃない。

内部だけ見ていたら、全貌は分からなかった

人間って面白いもので、毎日その環境にいると、その環境を基準に物事を考えるようになります。
毎日6時に出勤していると、
「まあ、そんなもんか」
と思う。

仕事が終わったあとに会議をすることにも、
「忙しいから仕方ないか」
と思う。
繁忙期にさらに仕事を増やされても、
「みんな大変だからな」
と思う。
でも、一歩外に出て誰かに話してみると、
「いや、それ普通じゃないぞ」
と言われる。
そこで初めて、
「あれ?俺たちの普通って、本当に普通なのか?」
と気づく。
だから僕は思いました。
環境の中だけで判断していたら、自分が置かれている状況の全貌は見えなかったんじゃないか。

これは仕事に限らないと思います。

「楽しい仕事」と「続けられる仕事」は違う

それでも、最後にもう一度言っておきたい。
僕は販売の仕事が嫌いだったわけではありません。
仕事は楽しかったです。
お客さんとの会話も楽しかった。
商品を売ることも楽しかった。
職場でくだらない話をするのも楽しかった。
だから、
「嫌な仕事だったから辞めた」
という単純な話ではありません。
ただ、

楽しい仕事だからといって、自分の時間を際限なく差し出せるわけではない。

家族との時間もある。
自分の人生もある。
そして、自分の体力にも限界がある。
そこで僕は、
「仕事が楽しいかどうか」と「この働き方をこれからも続けられるか」は別の問題なんだ。
と考えるようになりました。
そして、販売業を退職する決意をしました。

最後に

今回の給与明細を見て、改めて思いました。
給料を見るとき、
「月にいくらもらえるか」
だけを見るのではなく、
「自分は、そのお金のために何時間を使っているのか」
まで考えてみる。
これだけでも、仕事の見え方はかなり変わると思います。
そして、もし自分の職場で、
「これって普通なのかな?」
と思うことがあったら。
一度、職場の外にいる人に話してみるのもいいかもしれません。
案外、
「いや、それ普通じゃないよ」
という答えが返ってくるかもしれません。
僕の場合、それが退職を決めるきっかけの一つになりました。

仕事は楽しかった。
でも、
その働き方を続けることはできなかった。
僕が販売業を辞めると決めた理由は、そんなところです。

■著者プロフィール ダボ猫
40代から資産形成を始め、投資・仕事・家族・節約・暮らしについて、自分自身の経験をもとに書いています。
大企業で長く働いた経験から転職し、その後は販売・接客の仕事も経験。
「お金持ちになる方法」だけではなく、普通の会社員が、自分の生活を守りながらどう生きるかをテーマに、失敗談も含めて記録しています。
このブログの記事は、あくまで一人のオッサン「ダボ猫」の経験と考えです。

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