55歳で会社を卒業し、退職金と年金で老後を過ごす。そんな人生設計が当たり前だった時代です。その後、1990年代に入り60歳定年が義務化され、現在では65歳までの雇用確保措置、さらに70歳までの就業機会確保が企業の努力義務となっています。
社会の前提条件そのものが変わってきているんですね。実際、数字を見るとその変化はかなり大きいです。
1980年前後の60〜64歳の労働力人口比率は30%台。つまり10人いたら7人近くは現役を引退していました。
ところが現在の60〜64歳の労働力人口比率は80%を超えています。65〜69歳でも50%を超えており、70歳を過ぎても働くことは珍しいことではなくなりました。
一方で年金です。厚生年金受給者の平均受給額は月14〜15万円前後。国民年金のみの場合は月7万円前後が平均となっています。もちろん個人差は大きいですが、「年金だけで余裕のある生活を送る」というのは簡単ではない時代になってきています。
そこで昔からのデータを見ようとおもいます。ここでは「個人がもらう年金額が機械的に減った」というより、「受給者の平均額が下がった」が正確な表現です。理由は、
女性や非正規雇用の受給者が増えた
加入期間が短い人が増えた
賃金上昇率が昔ほど高くない
マクロ経済スライドによる給付調整などが重なっているためです。
実際に厚生年金受給者の平均月額は、
平成10年度(1998年) 約17万5,646円
平成19年度(2007年) 約16万1,059円
平成29年度(2017年) 約14万7,051円と、
名目額ベースでも減少しています。厚生労働省の統計でも確認できます。
そして2017年。政府は「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、「人生100年時代」という言葉が広く使われるようになりました。
当時の僕は、この言葉を聞いてこう思いました。
「これからは60歳で引退する時代じゃなくなる。」
「退職金や年金だけに頼るのは難しくなるかもしれない。」
もちろんこれは僕個人の受け取り方です。政府がそう考えていたかは分かりません。ただ、結果として社会は少しずつその方向へ動いているようにも見えます。
そして同じ時期に広がっていった制度があります。
積立NISA。
そしてiDeCo。
これは投資をしましょうという話ではありません。むしろ、「制度は用意するので、使うかどうかは自分で決めてください。」そんな時代になったのだと思っています。
国が全部面倒を見る時代から、国と個人がそれぞれ準備する時代へ。そんな変化なのかもしれません。
ここからはダボ猫的ファンタジー妄想ワールドです。
もし今後、30代、40代から投資や資産形成をしてきた人。現金預金だけで備えてきた人。この二つのグループが20年、30年後に同じ資産額になるかと言われれば、おそらくそうはならないと思っています。複利や配当、資産成長の効果は長い時間をかけて効いてきます。
その結果として、60歳以降の平均金融資産額は今より高くなる可能性があります。もちろんこれは平均の話。中央値やボリュームゾーンの話を始めるとまた別の議論になります。
では、もし老後の格差が今より広がったら社会はどう動くのでしょうか。僕の予想はシンプルです。
「まだまだ働く。」
これです。シニア雇用はさらに加速する。70歳現役。場合によっては75歳現役。そんな未来が来ても不思議ではない気がしています。実際、日本は人口減少による労働力不足が続いており、高齢者の就業率上昇は今後も重要なテーマとして議論されています。
だからこそ。投資をする。しない。これは個人の自由です。大切なのは、「もしそういう時代になったら、自分はどうするか。」そこを一度考えておくことなんじゃないかと思っています。
働き続ける準備をするのか。資産を作る準備をするのか。あるいは両方なのか。
昔は55歳で引退する時代でした。今は60歳を過ぎても働く時代です。そして20年後はどうなっているでしょう。正解は誰にも分かりません。だからこそ僕は、少しだけ未来を想像して、少しだけ備えておく。それくらいがちょうどいいんじゃないかと思っています。
プロフィール👉️トータルライフプランナー ダボ猫
19年間勤めた製造業を離れ、現在は接客業をしながら資産形成を継続中。大きな資産も特別な才能もありません。だからこそ、小さな積み立てや固定費削減、制度の活用など「普通の家庭でも再現できる方法」を大切にしています。このブログでは、資産形成と暮らしの記録をテーマに、投資、節約、仕事、家族、お金との付き合い方を書いています。同じように将来に少し不安を感じている誰かの参考になれば嬉しいです。
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