「昔より頑張って働いているのに、給料はそんなに増えない」

そんな感覚を持ったことはありませんか?

その一方で、物価は上がる。スーパーに行けば「あれ?また高くなってる」。金利も上がってきた。税金や社会保険料もある。じゃあ、僕たちは一体どうなっているんでしょう?

一生懸命働いている。会社も頑張っている。それなのに、生活が楽になった感じがしない。これ、単純に「日本企業がダメだから」と片付ける話でもないんです。

実は、経済全体を少し離れたところから見ると、意外なことが見えてきます。

昔は「労働者」がもっと強かった

昔の日本では、労働組合の力も今より強く、労働者が会社と激しく交渉することも珍しくありませんでした。国鉄のストライキで電車が止まる。そんな時代もありました。今ではなかなか考えられませんよね。もちろん、当時がすべて良かったわけではありません。

ただ、ここで考えてみたい。「じゃあ、なぜ今は労働者の立場が以前ほど強くないんだろう?」そして、「その代わりに、何が強くなったんだろう?」僕はここを知ると、少し見方が変わると思っています。

強くなっているのは「市場」です

ニュースを見ていると、「ニューヨーク外国為替市場では……」「ニューヨーク株式市場では……」なんて言っています。画面には外国人がいっぱい映っていて、鐘が「カンカンカンカン」と鳴って、誰かがガッツポーズしている。正直、昔の僕には、「何やってんの、この人たち?」くらいの感覚でした。笑

でも、あれも僕たちの生活と無関係ではありません。むしろ、めちゃくちゃ関係しています。なぜなら、僕たちが働いて生み出した価値も、最終的には市場の中で評価されているからです。

僕たちの努力は「会社」という形になって市場へ流れていく

例えば、あなたが工場で製品を作る。営業がそれを売る。会社が利益を出す。その利益で設備投資をする。さらに製品を作る。会社が成長する。その会社の価値が市場で評価される。そして株式として売買される。つまり、

僕たちが毎日働いて生み出しているものは、会社という器を通して経済の中を流れている。

会社だって、ずっと成長を求められます。設備を新しくしたい。人を採用したい。海外へ進出したい。新商品を作りたい。そのためには、お金が必要です。だから市場から資金を集める。そして、その企業の成長に期待する人が、その会社の価値を買う。こう考えると「株式市場」というものが、少し身近になってきませんか?

市場には、いろんな「お客さん」がいる

市場に並んでいる商品を、ざっくり人間に例えると面白い。

インデックスなら、「市場全体の成長を、まとめて買ってみません?」

アクティブファンドなら、「こっちはプロが選びますよ!」

ETFなら、「いろんな株を詰め合わせておきました!」

個別株なら、「俺はこれから成長するぜ!」

高配当株なら、「俺はもう十分成長したから、利益を配るぜ!」

国債なら、「国にお金を貸してくれたら、利息を付けて返すよ」

海外の国債なら、「いやいやウチの国なら、もうちょっと金利つくかもよ?」

為替なら、「円とドル、どっちが強くなると思う?」

……と、こんな感じです。笑

もちろん、実際にはもっと複雑です。でも、本質的には、「お金を出す人」と「お金を必要としている人」を市場がつないでいる。そう考えると分かりやすい。

じゃあ、僕たちはどうすればいいのか?

ここで、ひとつ疑問が出てきます。会社の成長を支えるために、僕たちは毎日働いている。会社が成長すれば、その価値は市場で評価される。だったら、「働いて給料をもらうだけ」で終わる必要があるんだろうか?ということです。

もちろん、働くことは大切です。給料は生活を支える一番重要な収入です。でも、給料をもらう側だけではなく、市場から利益を受け取る側にも少し参加してみる。これが、僕が資産形成を始めて感じたことです。

「水を運ぶ側」から「川を見に行く側」へ

例えば、あなたが毎日、水を運ぶ仕事をしているとします。会社から、「今日はこの量を運んでね」と言われる。一生懸命運ぶ。その対価として給料をもらう。でも、

その水が集まって大きな川になり、街を動かしているとしたら?

今度は少しだけ、その川の流れを見に行ってみてもいい。企業が成長する。利益が生まれる。市場で価値が評価される。

その一部を、自分も持ってみる。

つまり、「労働者」と「市場参加者」を両立させる。僕は、この考え方が資産形成の面白いところだと思っています。

経済は、意外と平等です

市場は優しくありません。株価が下がれば、「あちゃー!」となります。笑

でも、逆に言えば、「あんたは生意気だから利益を減らします」「あんたはサボったから利率を下げます」なんてこともありません。

市場に参加すれば、基本的には同じルールの中で評価されます。もちろん、持っている資産の額によって結果は大きく違います。知識や情報量にも差があります。だから「誰でも簡単に儲かる」という話ではありません。

それでも、少額からでも市場に参加できる。これは昔と大きく違うところです。

市場を知ると、少し安心できる

僕自身、資産形成を始めてから感じたことがあります。資産が増えたことももちろん嬉しい。でも、それ以上に、「自分の人生を給料だけに預けなくてもいい」と思えるようになったことが大きかった。

経済の仕組みを知らない頃は、「会社の給料が上がらない」「物価が上がった」「税金が高い」という出来事を、自分の身に降りかかってくるものとして受け止めるしかありませんでした。でも、市場の仕組みを少し知ると、「ああ、こういう流れでお金が動いているのか」と、一歩引いて見られるようになる。これだけでも、結構違います。

だから、一度「お客さん側」に座ってみてほしい

いきなり大金を投資する必要なんてありません。むしろ、最初から大金を入れる必要はないと思います。少額でもいい。市場というものを、自分のお金で少しだけ体験してみる。株価が動く。企業の決算を見る。金利が変わる。為替が動く。ニュースを見る目も変わってきます。そして何より、「僕も経済の中にいるんだ」という感覚が出てきます。

僕たちは毎日働いて、会社を成長させています。その会社もまた、市場の中で評価されています。だったら、その市場を「ニュースの向こう側」に置いておくのは、ちょっともったいない。働いて給料をもらう。それに加えて、経済の成長からも少しずつ恩恵を受ける。この二つを組み合わせる。これが、僕が考える資産形成のスタート地点です。

※この記事についてここまで読んで「じゃあ投資を始めよう!」と思った方へ。この記事は、特定の金融商品や投資方法を勧めることを目的としたものではありません。株式、投資信託、ETF、債券、為替などには、それぞれ異なるリスクがあります。元本が保証されているものばかりではなく、投資した金額を下回ることもあります。

僕がこの記事で伝えたいのは、「絶対に投資したほうがいい」ではなく、「経済の仕組みを知り、自分も市場という選択肢を持ってみよう」ということです。投資をするかどうか。何に投資するか。いくら使うか。それは、それぞれの収入、生活防衛資金、家計、リスク許容度、人生設計によって変わります。だからこそ、誰かの「これが正解」をそのまま買うのではなく、まずは自分で仕組みを知る。

「市場って、そもそも何なんだ?」そこから始めるだけでも十分だと思っています。

……さて。ここまで読んで、「じゃあ、実際に市場に参加するなら何をすればいいの?」と思った人。

そこから先が、いよいよ資産形成の話です。

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