突然ですが、「経済」って何でしょう?
株価?給料?物価?景気?GDP?ニュースでは毎日のように「経済」という言葉が出てきます。
でも、僕たち普通の人が、自分の生活と経済がどうつながっているのかを考える機会は、意外と少ないのではないでしょうか。僕自身も、以前はそうでした。会社に行く。働く。給料をもらう。生活費を払う。車を買う。税金を払う。また働く。そして気づけば何年、何十年。「これが普通の人生だ」そう思っていました。
でも、少し立ち止まって考えてみると、疑問が出てきます。僕たちは、いったい何のために働いているんだろう?
そして、この「普通の生活」は、経済の中でどんな役割を果たしているんだろう?今回は、そんな話です。
「経済」という言葉には、もともと大きな意味があった
「経済」という言葉は、もともと「経世済民(けいせいさいみん)」という言葉に由来します。
経世。
世の中を治める。
済民。
民を救う。つまり、「世の中を治め、人々を救う」という意味です。
現代の僕たちがイメージする「経済」とは、ずいぶん違いますよね。お金を儲けることだけではない。株価を上げることだけでもない。企業が利益を出すことだけでもない。
本来は、人々がよりよく生きるために、世の中をどう動かすのか。そんな大きな意味を持っていた言葉です。
では、現代の経済はどうでしょう?
経済には「普通の人」が大量に必要
ものすごく単純化してみます。会社で働く。給料をもらう。スーパーで買い物をする。車を買う。家賃を払う。住宅ローンを払う。保険料を払う。子どもの教育費を払う。外食する。旅行する。僕たちが使ったお金は、企業の売上になります。
企業はそこで得たお金から、人件費を払い、設備投資をし、商品やサービスを作ります。そして、そのお金がまた誰かの給料になり、誰かの消費になる。もちろん現実の経済はもっと複雑ですが、大きな流れとしては、
働く → 稼ぐ → 使う → 企業が稼ぐ → 雇用や投資が生まれる
という循環があります。だから経済にとって、大量の「普通の人」が存在することは非常に重要です。働く人。消費する人。税金を払う人。住宅を買う人。車を買う人。サービスを利用する人。僕たち「普通の人」は、経済の一番分厚い層です。
言い換えれば、経済の分母です。
ここは誤解してほしくありません。「普通の人でいることが悪い」という話ではありません。むしろ普通の人がいなければ、今の経済は成立しません。では、
なぜ僕たちは「普通の中でも上」を目指すのか?
ここから少し、人間の心理の話になります。同じ会社で働いていても、「あの人より給料が高い」「あの人よりいい車に乗っている」「あの人より大きな家に住んでいる」「あの人よりいい生活をしている」そんな比較が始まります。別に悪いことではありません。人間には、他人と自分を比較する性質があります。だから、「普通でいたい」と同時に、「普通の中でも、少し上にいたい」という気持ちも生まれます。もっといい車。もっと大きな家。もっといい服。もっといい学校。もっといい旅行。
そこで一度、考えてみたい。それは、本当に自分が欲しいものなのか?それとも、「人より少し上でありたい」という気持ちから欲しくなったものなのか?この違いは、家計にとってかなり大きいかもしれません。
働いたお金は、どこへ流れている?
僕たちが働いて得たお金は、生活のために使われます。当然です。食べなければいけない。住まなければいけない。移動しなければいけない。子どもを育てなければいけない。生活にはお金がかかります。
でも、ここで一つだけ考えてみてほしい。働いて得たお金のうち、どれだけが「自分の将来の資産」になっているでしょうか?
給料をもらう。生活費を払う。住宅費を払う。車にお金を使う。保険料を払う。税金や社会保険料を払う。そして、また働く。これを何十年も繰り返す。もちろん、それ自体は普通の人生です。でも、「働いて稼ぐ」だけではなく、「稼いだお金の一部を資産に変える」という発想を持つだけで、経済の中での自分の立ち位置は少し変わります。
実は日本では「富裕層」が増えている
ここで、ちょっと面白いデータがあります。野村総合研究所(NRI)の推計によると、2023年の日本では、純金融資産1億円以上5億円未満の「富裕層」が153.5万世帯。5億円以上の「超富裕層」が11.8万世帯。合わせて、165.3万世帯と推計されています。2021年の148.5万世帯から、11.3%増加しました。
さらに、この富裕層・超富裕層が保有する純金融資産の総額は、364兆円 → 469兆円へと増加しています。約29%の増加です。ここで、「日本には金持ちが増えているんだな」で終わらせることもできます。
でも、僕はもう一歩踏み込んでみたい。1億円に届かなかった人たちは、どこにいる?
NRIの「富裕層」という区分は、純金融資産1億円以上です。では、
資産500万円だった人が1,000万円になったら?
1,000万円だった人が2,000万円になったら?
2,000万円だった人が5,000万円になったら?
もちろん、かなり大きな資産形成です。でも、富裕層には入りません。つまり、「富裕層が何世帯いるか」という統計だけでは、静かに資産を増やしている人たちの姿は見えません。
では、その人たちは何人いるのでしょうか?正確な人数は、このデータからは分かりません。だからこそ面白い。資産形成は、「1億円を作れるか、作れないか」という二択ではないからです。昨日より少し資産が増えた。去年より金融資産が増えた。借金が減った。固定費が下がった。投資を始めた。こうした小さな変化も、全部「資産形成」です。
そして「いつの間にか富裕層」という人たち
さらにNRIは、興味深い層を紹介しています。それが、「いつの間にか富裕層」です。近年の株式相場の上昇などによって運用資産が増え、富裕層になった人たち。
NRIによると、40代後半から50代の一般会社員で、従業員持株会、確定拠出年金、NISAなどを活用し、運用資産が1億円を超えたケースが見られるとしています。
さらにNRIの別の分析では、「いつの間にか富裕層」は10万~30万世帯程度存在すると推計されています。ここが面白い。
富裕層というと、「会社経営者」「地主」「大金持ちの家に生まれた人」というイメージがあります。でも実際には、普通に会社員として働きながら、資産を積み上げて富裕層になった人もいる。
つまり、「普通の人」と「資産を持つ人」は、必ずしも別世界の人間ではありません。
経済は、僕たちに「普通であれ」と望んでいるのか?
ここからは、データではなく僕の考察です。経済には、大量の労働者が必要です。大量の消費者も必要です。だから社会には、「働く」「消費する」「生活する」という巨大な循環があります。では、その中で僕たちは、「普通であること」に安心しすぎていないでしょうか?
みんなが大学に行く。みんなが車を買う。みんなが家を買う。みんなが保険に入る。みんながその会社に就職する。みんながそうしているから、自分もそうする。もちろん、それぞれに合理的な理由があります。
でも、「みんながやっている」ことと、「自分にとって合理的」なことは、本当に同じでしょうか?僕はここを一度、疑ってみてもいいと思っています。
「普通であり続けるためのマインド」に縛られていないか?
「そんなことをして大丈夫?」「投資なんて危ない」「周りは誰もやってない」「普通に働いていればいい」「そんなにお金のことばかり考えるな」こういう言葉は、悪意から出ているとは限りません。むしろ、心配して言ってくれていることも多いでしょう。そして人間は、周囲と同じだと安心します。違うことをすると不安になります。だから、「普通であること」は、社会生活において非常に強い力を持っています。
ここで僕は、「社会があなたを洗脳している!」と言いたいわけではありません。そんな単純な話ではない。
ただ、僕たちは、自分で選んでいるつもりでも、「みんながそうしている」という環境からかなり大きな影響を受けている。これは一度、考えてみてもいいと思います。
1°でも角度が上がった直線は、起点から離れていく
人生を一本の直線だとします。そこに、ほんの少しだけ上向きの角度をつける。固定費を少し下げる。無駄な消費を少し減らす。収入を少し増やす。浮いたお金を貯金する。さらに、その一部を長期的な資産形成に回す。一つ一つは、本当に小さな変化です。でも、1°でも角度が変わった直線は、時間が経てば起点から離れていきます。もちろん、投資なら価格は上下します。毎年きれいに右肩上がりになるわけでもありません。それでも、「昨日と同じ」を少しだけ変える。その積み重ねには意味があります。人生をひっくり返す必要なんてありません。ほんの少し、角度を変えるだけでいい。
経世済民なら、僕たち自身も経済を知っていい
最初に出てきた「経世済民」。世の中を治め、民を救う。僕はこの言葉を知って、「じゃあ、現代の経済は本当に民を救う仕組みになっているのだろう?」と考えるようになりました。
企業が利益を出すことも必要。投資家が利益を得ることも必要。消費する人も必要。働く人も必要。全部が経済の一部です。でも、その仕組みを動かしている「普通の人」が、自分のお金がどう動いているのかを知らないまま、ただ働き続ける。これは少しもったいない。
経済を変える必要はありません。会社を辞める必要もありません。一発逆転する必要もありません。ただ、自分も経済の参加者なんだと気づく。そして、「働いて稼ぐ」だけではなく、「稼いだお金の一部を自分の資産に変える」という選択肢を持つ。それだけでも、少し景色が変わるかもしれません。
あなたは、まだ経済の一番分厚い層にいますか?
普通に働く。普通に生活する。普通に家族を養う。それは悪いことではありません。むしろ、社会を支えているのは、そういう普通の人たちです。ただ、「普通に生きる」ことと、「何も考えずに普通であり続ける」ことは違います。もし今まで、「働くこと」だけを考えていたなら。「使うこと」だけを考えていたなら。一度だけ、「自分のお金を、少しだけ資産に変えてみよう」と考えてみてもいい。
大ホームランじゃなくていい。月1万円でもいい。固定費を1万円下げることでもいい。借金を一つ減らすことでもいい。一度、ほんの少し角度を変える。その直線が、10年後、20年後にどこへ向かっているのか。それは今の自分には分かりません。
でも、起点と同じ場所にいたくないなら、角度を変えるしかありません。僕はその小さな角度を探すために、ダボ猫チャートをやっています。工夫次第で、誰でもできる少額投資。大金持ちになるためじゃない。FIREするためだけでもない。普通に暮らしながら、ほんの少しだけ「資産を持つ側」に近づいてみる。それでいいと思っています。

■ちょっと得したら、富の分配をする。そんなクレイジーなブログです。ダボ猫チャート|
「ダボ猫チャート」を運営しているダボ猫です。特別な投資家でも、金融の専門家でもありません。普通に働き、家族と暮らし、限られた収入の中で資産形成をしてきました。このブログでは、少額から始める資産形成NISA・iDeCoなどの制度固定費の見直しお金に関する失敗や体験仕事・家族・生活とお金の関係経済や社会の仕組みを、普通の人目線で考えることなどを書いています。
僕の目的は「投資で大金持ちになろう」ということではありません。普通に暮らしながら、少しずつ自分の選択肢を増やす。そのために、お金について一緒に考えるブログです。
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