子どもの頃の家庭環境って、大人になってからの金銭感覚に影響するんでしょうか?僕は以前から、なんとなく気になっていました。

僕自身、いわゆる「親からお金について教えてもらった」という記憶がほとんどありません。むしろ逆です。僕の場合、お金に関しては少し特殊な経験をしています。
今回は、金融社会化(financial socialization)という研究分野の論文を参考にしながら、「幼少期の家庭環境や金銭経験は、大人になってからのマネーリテラシーや金銭感覚に影響するのか?」を、僕自身の経験から考えてみます。※もちろん、僕個人の経験がそのまま科学的な因果関係を証明するものではありません。
金銭感覚は「親から教わる」だけではない
お金について研究する分野の一つに、**金融社会化(financial socialization)**というものがあります。
簡単に言えば、子どもが家庭や社会の中で、お金についてどのように学習していくのかという研究です。親から、「貯金しなさい」「無駄遣いするな」「お金は大切だよ」と直接教えられることだけではありません。
親がお金をどう使っているのかを見る。
家庭でお金の話をする。自分でお金を使ったり、貯めたりする。そういった経験そのものが、子どもの金銭感覚を形成する可能性があります。近年の研究でも、親による金融社会化と、成人初期の金融知識・金融態度・金融行動などには関連があることが報告されています。
つまり、「子どもの金銭感覚は、学校の金融教育だけで作られるわけではない」ということです。
では、僕の場合はどうだったのか。
僕は「お金を大切にしなさい」とは教えられていない
僕の家庭環境は、一般的な家庭とは少し違っていました。両親は3歳の時に離婚。その後、僕に入ってきたお金についても、自分で自由に使えるものではありませんでした。
例えば、お年玉を取られる。離婚後の養育費も、養父に取られる。さらに、結婚したときにもらった結婚祝い金も、養父に取られました。ちなみに養育費については、もともと未払い金があったため、弁護士を入れて請求した経緯があります。それでも、最終的には僕の手元に残るお金ではありませんでした。商店街のくじ引きで2万円を引き当てた時も、僕は靴下一足だけ、それ以外は取られました。笑
一方で、大人になってからは、車の購入費用も自分。一人暮らしに必要な費用も自分。生活に必要なお金も、自分で稼いで払ってきました。高卒です。成人したからといって、親からまとまったお金をもらったわけでもありません。つまり僕の中には、「お金は誰かが用意してくれるものではない」という感覚がかなり早い段階からあったのだと思います。
これって「マネーリテラシー」なのか?
ここが今回、一番考えてみたいところです。僕は金融の専門教育を受けていません。投資を始めたのも大人になってから。NISAやiDeCoの仕組みを勉強したのも、その後です。それでも昔から、「借金は嫌だ」「無駄な固定費は嫌だ」「自分で払えるものは自分で払う」「お金が残っていない状態は怖い」という感覚は強かった。これを「マネーリテラシーが高い」と言っていいのかは分かりません。
でも、少なくとも金銭に対する警戒心は強かったと思います。今でも自分、もしくは妻でロックできる金融資産をもつことがかなり安心につながっています。
研究で言われている金融社会化を僕に当てはめるなら、僕は「親から金融知識を教えてもらった」というより、実体験からお金の性質を学習したと考えることができるのかもしれません。
「お金はなくなる」という経験
子どもの頃に、「頑張って貯めれば、自分のお金が増える」「信頼できる両親が、しっかり貯めてくれていた」という経験をする人もいるでしょう。一方で僕の場合は、「自分のお金だと思っていたものが、自分の手元からなくなる」という経験が多かった。これが大人になってからの金銭感覚に影響している可能性はあると思っています。
例えば100万円あったとして、「100万円あるから100万円使える」とは考えにくい。むしろ、「100万円あるけど、何かあったらどうする?」と考える。だから貯金や資産形成に対しても、「お金を増やして豪遊したい」というより、「お金がなくなっても困らない状態を作りたい」という方向に意識が向きました。
これは、いわゆる「ケチ」とも言えます(笑)。
でも、ここには注意が必要
ここで、「親にお金を取られて育った人は、マネーリテラシーが高くなる」なんて結論を出したらダメです。そんなことを証明した研究ではありません。
家庭環境と金融行動には関連があったとしても、「この経験をしたから、この金銭感覚になった」と個人について因果関係を断定することはできません。むしろ、同じような家庭環境でも、「お金なんてどうでもいい」「どうせなくなるなら使ってしまえ」という方向に行く人もいるでしょう。
だから僕の場合は、「こういう経験が、現在の僕の金銭感覚の一部を作ったのかもしれない」くらいに考えています。
親からもらったものは、お金だけではなかった
正直に言うと、僕は親のことが好きではありません。でも、一つだけ今でも覚えている言葉があります。
「他人はお前の失敗を笑いたいだけ。助けてはくれない」
子どもの頃に聞いたときは、そんなに深く考えていませんでした。でも大人になった今なら、少し意味が分かります。これは金融教育の言葉ではありません。「投資をしろ」とも言っていません。「貯金しろ」とも言っていません。でも、「最後は自分で何とかしろ」という考え方は、僕の中に残りました。
それが「資産形成」に繋がったのかもしれない
僕が資産形成を始めた理由も、結局はそこだったと思います。お金持ちになりたい。高級車に乗りたい。ブランド品が欲しい。そういう目的ではありませんでした。むしろ、「家族に何かあったとき、自分が何もできないのが怖い」という気持ちの方が強かった。
だから収入が多かった時期に、少しずつお金を残した。
固定費を下げた。
借金を避けた。
そして後からNISAやiDeCoなどを勉強して、少額から資産形成を始めた。
振り返ってみると、「お金を増やしたい」というより、「お金で困る可能性を減らしたい」という発想だったのかもしれません。
子どもの金銭感覚は「家庭環境だけ」では決まらない
今回、論文を調べてみて面白かったのは、親の収入だけで子どもの金融リテラシーが決まるわけではないということです。
親子でお金について話すこと。親のお金の使い方を見ること。実際にお金を管理する経験をすること。そうした様々な経験が、子どもの金融知識や態度、行動に関係していきます。
だから、「うちはお金持ちじゃないから、子どもに金融教育なんてできない」とは限らない。むしろ、「今月は食費にこれくらいかかった」「これは必要な買い物、これは欲しいだけの買い物」「この商品を買うなら、こっちと比較してみよう」そんな日常会話だって、立派な金融教育になるのかもしれません。
僕の場合は「反面教師」だったのかもしれない
僕は親から、「こうすればお金が貯まる」ということを教わったわけではありません。でも、「お金を他人任せにすると危ない」という感覚は身についた。だから僕の場合、親から受けた影響があるとすれば、金融教育というより、反面教師としての金融教育だったのかもしれません。
もちろん、これは僕個人の話です。同じ経験をすれば同じ結果になるわけではありません。でも、研究を知った上で自分の人生を振り返ってみると、「自分の金銭感覚って、いつからこうなったんだろう?」という疑問には、少し答えが見えてきます。
まとめ
子どもの金銭感覚は、親から「貯金しなさい」と言われただけで作られるものではありません。家庭でのお金の扱い方。親子のお金の会話。実際のお金の経験。そして、家庭の中で身につけた価値観。そういったものが複合的に関係しているようです。
僕の場合は、お年玉を取られた。養育費も自分の手元には残らなかった。結婚祝い金も取られた。
その一方で、車も自分で買った。一人暮らしも自分で払った。そんな経験を重ねてきました。
だから僕は、もしかすると人より「お金が自分の手元にあること」を重要視するようになったのかもしれません。これをマネーリテラシーと呼ぶのか、ただのケチと呼ぶのか。それは分かりません(笑)。
ただ一つ言えるのは、「お金は誰かが最後まで守ってくれるものではない」という感覚が、僕の資産形成の土台になったことです。
そして、あの言葉。
「他人はお前の失敗を笑いたいだけ。助けてはくれない」
今となっては、親からもらった数少ない「人生の教材」だったのかもしれません。
参考にした研究について
この記事では、子どもが家庭や親との関わりを通じて金融知識・金融態度・金融行動などを形成していく「金融社会化(financial socialization)」の研究を参考にしています。ただし、研究結果から「特定の家庭環境が将来の金銭感覚を直接決める」と断定するものではありません。研究を土台にして、自分自身の経験を振り返った考察記事です。
■ダボ猫チャートについて
このブログでは、投資だけではなく、固定費削減、仕事、家族、お金との付き合い方など、僕自身が経験してきたことを書いています。特別な才能があるわけでも、お金持ちでもありません。工夫次第で誰でもできる少額投資。そして、「ちょっと得したら、富の分配をするクレイジーblog」を目指しています。投資も資産形成も、無理をする必要はありません。自分と家族を守るために、自分なりの方法を探していきましょう。
※本記事は個人の体験と公開されている研究をもとにした考察です。特定の家庭環境と将来の金融行動との因果関係を保証するものではありません。
■著者プロフィール ダボ猫

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