「投資かぁ、いやもう遅いっておもうんだよね」
「投資は若いうちから始めるもの」
そんな話をよく聞きます。確かに20代から積み立てを始めた人と、50歳から始めた人では結果は違います。
では50歳から投資を始めるのは意味がないのでしょうか。
僕はそうは思いません。むしろ退職金制度の現実を見れば、50代こそ資産形成について考える価値があります。
今回は現実的な数字で計算しながら考えてみます。
50歳から投資したらいくらになる?
条件は次の通りです。
年齢50歳
手取り30万円
初期投資100万円(慌てて貯金を入れた設定にします)
毎月3万円
積立年利5%
運用期間10年
よくある一般的な会社員を想定しています。この条件で60歳まで運用すると、
初期投資100万円は約163万円になります。
さらに毎月3万円を10年間積み立てると、元本360万円が約466万円になります。
合計すると、約629万円です。
投資した元本は460万円ですから、運用益は約169万円になります。
169万円をどう見るか
人によっては、「10年もやって169万円?」と思うかもしれません。しかし投資をしなければ、460万円は460万円のままです。投資した場合は、460万円が629万円になる。差額は約169万円です。確かに「退職金の足し」という感覚はあります。
でも老後に169万円あればどうでしょう。
毎月5万円使ったとしても約34か月分。約3年分の生活費になります。決して小さな金額ではありません。
退職金があるから大丈夫?
ここで多くの人が考えるのが、「退職金があるから何とかなる」という考えです。もちろん退職金が十分に出る会社もあります。しかし現実は少しずつ変わっています。
厚生労働省の調査によると、退職給付制度を持つ企業の割合は平成30年の80.5%から令和5年には74.9%まで低下しています。
つまり退職金制度そのものを持たない企業が増えているということです。
さらに今後3年以内に退職金制度の廃止を予定している企業割合は、
平成30年 1.9%
令和5年 6.6%へ増加しています。
賃上げのニュースは増えていますが、その一方で企業は将来の退職金負担を減らそうとしているのも事実です。
昔のように、「定年まで勤めれば退職金で安泰」という時代ではなくなりつつあります。
僕自身も退職金を過信しない
今や大企業勤務ではありませんが、転職情報や退職金制度を調べることがあります。そこで感じるのは、想像より少ない。ということです。昔は家一軒分とも言われた退職金ですが、今はそこまで期待できないケースも珍しくありません。周りをみても60歳や65歳、社会から隠居せずそれなりに続投して働いてる、これがデフォルトになりつつあるのが現実です。
もちろん会社によって差はあります。ただ少なくとも、退職金だけに老後を任せる。これは少し危険な考え方になってきています。この169万のウエイトって企業によって変わってくる気がしているんです。
50代の投資は攻めではなく守り
50代からの投資で大切なのは、一発逆転を狙わないことです。
信用取引レバレッジ
商品話題の銘柄への全力投資
こうした方法は老後資金作りとは相性が良くありません。むしろ、
積立投資
インデックス
投資長期保有
こういった地味な方法の方が向いています。50代の投資はホームランではありません。守備固めです。
結論
50歳から投資を始めても、決して遅くありません。今回の例では、
元本460万円
↓
約629万円となりました。
もちろん未来のリターンは誰にも分かりません。しかし一つ言えるのは、退職金が増える保証はない。年金だけで安心できる保証もない。だからこそ、自分のお金にも働いてもらう仕組みを持つ価値があるということです。
50歳からの投資は億万長者を目指すものではありません。老後の選択肢を増やすための準備です。退職金制度の現実に目を向けたとき、その意味は思っている以上に大きいのかもしれません。
脚注
※年利5%は全世界株式やS&P500などの長期運用実績を参考にした仮定であり、将来の利益を保証するものではありません。
※毎月3万円の積立額は手取り30万円の約10%を想定しています。
※税金、手数料、暴落時の評価損は考慮していません。
※退職給付制度の企業保有率および制度廃止予定割合は厚生労働省「就労条件総合調査」を参考にしています。
プロフィール トータルライフプランナー ダボ猫
節約・投資・食について発信しています。特別な才能や高収入がなくても、普通の人が現実的に資産を作る方法を日々研究中です。派手な成功談よりも、再現性のあるお金の話を大切にしています。
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