「車は10万kmを超えたら寿命」昔はよく聞いた話です。中古車の査定でも10万kmが一つの壁でした。
10万kmを超えると値段が大きく下がり、「そろそろ買い替え時ですね」と言われる時代がありました。ですが最近、その考え方は少し違うのではないかと思っています。
今の車は昔の車と別物
もちろん車の基本構造は変わっていません。エンジンがあり、タイヤがあり、人を運ぶ。しかし中身はかなり変わりました。
まず加工精度です。現在のエンジンはコンピューター制御された工作機械で製造されており、部品同士の誤差は昔よりはるかに小さくなっています。
結果として摩耗が減りました。
そしてオイル。最近では0W-20などの低粘度オイルが当たり前になりました。昔なら「そんなサラサラで大丈夫か」と言われたかもしれません。しかし現在のオイルは性能そのものが大きく進化しています。エンジン設計とオイル技術が同時に進歩した結果、エンジン本体の耐久性は確実に向上しています。
つまり見た目は同じ自動車でも、中身は昔とは別の機械なのです。
本当に壊れるのはどこか
もちろん20万km走っても何も交換しなくていいわけではありません。エアコン。オルタネーター。ウォーターポンプ。ショックアブソーバー。こうした部品は年数や走行距離によって交換が必要になることがあります。
ただ、これを故障と考えるか、消耗品交換と考えるか
は人それぞれです。タイヤやバッテリーを交換するのと同じ感覚で考える人もいます。私自身は、こうした部品交換を前提にすれば、現在の車はかなり長寿命になったと感じています。
中古車が高い理由
最近、中古車を見ていて驚くことがあります。10年落ちの軽自動車が普通に50万円、60万円で売られていることです。昔の感覚なら、「そんな古い車に?」と思うかもしれません。しかし考えてみれば不思議ではありません。10万kmが寿命だった時代なら価値は低いでしょう。ですが20万km近く走れる可能性があるなら話は変わります。
中古車販売店もユーザーも、「何年経ったか」ではなく、「あと何年使えるか」を見るようになっています。だから値段が残るのです。
60万円の中古車は本当に高いのか
ここで少し考えてみます。例えば60万円の軽自動車を買い、10年乗るとします。車両代は年間6万円。月にすると5,000円です。途中で10万円程度の修理が1回発生したとしても、総額70万円。年間7万円です。
一方で120万円の車を購入して10年乗った場合、車両代だけで年間12万円。月にすると1万円です。もちろん状態や故障リスクは車によって違います。単純比較はできません。しかし中古車の場合、多くの人が想像するほど不利とは限りません。特に軽自動車は部品代や維持費も比較的安く、選択肢として十分成立します。
常識は時代とともに変わる
昔は、「10万km超えたら危ない」と言われました。当時はそれが正しかったのかもしれません。しかし現在は違います。加工精度は向上し、オイルは進化し、エンジンそのものの耐久性も上がっています。車そのものが変わったのです。
だから中古車市場の価値基準も変わりました。10万km寿命という言葉は、もしかすると今の若い世代には通用しない考え方になるかもしれません。
中古車価格が高いのは物価高だけではありません。車が長持ちするようになった。私はそれも大きな理由の一つだと思っています。
10年落ちの軽自動車が60万円。昔なら驚く数字でした。ですが今の車の実力を考えると、案外自然な価格なのかもしれません。
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