僕は子どもの頃、風邪をひくと近所の町医者に行っていました。診察して、薬をその場でもらって、会計はだいたい600円くらい。そして先生はこう言いました。「また具合が悪くなったら来てください。」それが普通の医療の風景でした。
ところが今、同じように風邪で病院に行くと、体感としてかなり違います。
診察 約2500円
薬局 約2000円
合計 4000〜5000円
さらに「来週また来てください」と言われることも多い。この違和感は気のせいではありません。
実際、日本の医療費はこの30年で大きく増えています。ここでは、できるだけ感情ではなく、数字で整理してみます。
日本全体の医療費は30年でほぼ2倍日本の医療費(国民医療費)
1990年約20兆円
2000年約30兆円
2022年約46兆円
つまり約30年で2倍以上になっています。もちろん理由は一つではありません。よく言われるのは次の3つです。
高齢化
医療技術の高度化
薬の高性能化
これは確かに事実です。ただ、外来医療を受ける側の体感としては、もう一つの変化があります。通院の仕組みが変わったことです。
昔は「院内処方」が普通だった
1990年代までの町医者では、次の流れが一般的でした。
診察 その場で薬をもらう会計
つまり病院1回、支払い1回でした。これを院内処方といいます。診察と薬をまとめて支払うので、自己負担は500〜1000円程度のことも珍しくありませんでした。
2000年前後から広がった医薬分業
2000年前後から広がった制度があります。これは医師薬剤師の役割を分ける仕組みです。流れはこうなります。
病院で診察処方箋をもらう
薬局で薬を受け取る
つまり支払いが2回になる。制度の目的は薬の安全性過剰処方の防止と言われています。ただ結果として、患者の体感としては診察+薬局という二重の支払い構造になりました。現在の外来診療の典型的な金額
例えば軽い風邪のケース。
診療所(初診)2500〜3000円
調剤薬局1500〜2500円
合計4000〜5000円
さらに短期処方の場合、1週間後再診という流れも増えました。診療報酬は再診料、処方料、調剤料など回数ごとに積み上がる仕組みです。そのため、通院回数が増えると医療費も増えます。長期通院の医療費は静かに積み上がる医療費で本当に大きくなるのは、急病よりも慢性疾患です。例をいくつか見てみます。
高血圧
月1回通院
診察約1500円
薬約2000円
合計約3500円
年間約4万2000円
30年約126万円
糖尿病月1回通院
診察約2000円
薬約4000円
検査約2000円
合計約8000円
年間約9万6000円
30年約288万円
精神疾患は期間が読めない
精神科の医療費は1回ごとの金額より、通院期間が問題になります。
代表的な例
典型的な外来診察1500〜2500円
薬2000〜6000円
平均すると月約5000円
年間約6万円 問題はここです。
通院期間5年
約30万円
10年約60万円
30年約180万円
精神疾患は長期通院になるケースが多く、医療費が静かに積み上がります。医療費の特徴は「急病より慢性」
風邪5000円、しかし高血圧100万円以上、糖尿病200万円以上、このように、医療費は急病より慢性通院の方が大きくなります。
まとめ
30年前
診察薬まとめて600円前後
現在
診察2500円前後
薬局2000円前後
合計4000〜5000円
さらに通院回数が増える仕組み
そして慢性疾患の場合
数十万円から数百万円
医療費はこの30年で確実に増えました。ただ、それは単純な値上げではなく
制度
高齢化
医療の進歩
いくつもの要因が重なっています。数字で見ると、日本の医療の姿が少し冷静に見えてきます。
ただ、この支出を感情的にならず、固定費として見つめてみてはどうでしょう。アメリカはとっくに予防医療に切り替えているのも事実です。
著者プロフィール
資産形成や家計管理について実体験をもとに、少額でも投資できるをモットーにブログを書いています。3人の子どもの教育費や生活費を経験しながら、リアルなお金の記録をまとめています。
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