スーパーやディスカウントストアで野菜を買うとき、価格差の理由まで考える人は多くありません。

しかし棚には、はっきりと構造の違いが現れています。

通常の青果は、農家→ JA(農協)→ 卸売市場→ 仲卸→ 小売店→ 消費者という流れを通ります。代表的な組織として JA全農 があります。ここで規格選別や検査を受け、サイズや外観が揃えられ、市場へ流通します。このルートは安定供給に優れていますが、

・選果コスト

・箱代

・長距離輸送費

・中間マージンが積み上がります

一方、産直コーナーは農家→ 店舗→ 消費者という短いルートです。中間コストが抑えられるため、2〜3割安く並ぶことがあります。

ここで重要なのが「季節」です。旬の野菜は収穫量が多く、地域でダブつきやすい。ダブつく=価格は下がる。だから産直コーナーは安い。逆に、季節に関係なく出ている野菜はどうか?旬ではない野菜は、

・ハウス栽培

・加温コスト

・遠方産地

・長距離輸送などが絡みます。

供給量は安定していても、自然にダブつくことがない。つまり、価格は高価で下がりにくい。「いつでもある野菜」は、実はコストが乗っています。

旬の地場野菜が安いのは偶然ではなく、経済合理性です。さらに、棚の表示を見るとヒントがあります。県外産が悪いという話ではありません。ただ、県外の野菜は多くの場合、産地→ 集荷場→ 市場→ 仲介業者→ 店舗というルートを通っています。目印は、

・産地が県外の表示

・統一されたパッケージ規格

・パック形状が全国共通

といった点です。対して産直は、

・生産者名が明記

・簡易袋詰め

・形が不揃い

・手書きラベルの場合もある

など、個別性が強い。これは優劣ではなく、流通構造の違いです。また、産直でも全員が簡易、形が不揃いというわけではありません。中には自ら選別を丁寧に行い、見た目も品質も整えて持ち込む生産者もいます。

直売は評価が直接返ってくる世界です。だからこそ、こだわる人もいます。

そして僕たちの家計。総務省の家計調査では、2人以上世帯の野菜支出は月約9,500円前後。仮にそのうち7割を産直で2割安く買えたとすると、

9,500円 × 70% × 20% = 1,330円月1,330円。年間では、1,330円 × 12 = 15,960円。

約1万6千円。

年に3回家族で外食しても良いような金額ですよね。小さな積み重ねが産んだ結果です。

旬を選ぶことは、身体にも合理的です。自然な時期に採れた野菜は栄養価が高く、保存や輸送の負担も少ない。

価格差は偶然ではない。棚には流通の構造がそのまま並んでいる。次にスーパーへ行ったとき、「どのルートを通ってきた野菜か」を少しだけ意識してみてください。それだけで、買い方は変わります。

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